賃貸を契約する場合、大家さんによる入居審査があり、審査が通らず賃貸契約ができないことがあります。
賃貸の入居審査というと、安定した年収があれば必ず通ると思っている方も多くいますが、審査項目として見られているのは年収だけではありません。
年収が基準値より高くても、入居審査に落ちたという方もいます。
そこで今回は、賃貸の入居審査で見られるポイントと審査に必要な書類、スケジュールなどをわかりやすく解説します。
入居審査が通るか不安という方は、ぜひ本記事を参考にして入居審査に備えてください。
そもそも入居審査とは?
賃貸物件を契約する際、大家さんや不動産管理会社による入居審査が行われます。
入居審査とは、大家さんが所有する物件を貸しても問題がない人物か入居者を判断する審査です。
また、家賃保証会社を利用する場合は、家賃保証会社による審査も必要になります。
入居審査では、主に賃貸物件を貸した後に家賃を滞納されるリスクがないか、入居中にトラブルを起こさないかを審査します。
大家さんにとって家賃は大事な収入源なので、入居者の支払い能力を入居前にきちんと見極める必要があります。
支払い能力を判断する項目として以下の5つが挙げられます。
- 年齢
- 職業
- 配偶者の有無
- 勤務先の安定性(勤続年数)
- 家賃が月の手取り収入の1/3以下
まずは、上記の項目にご自身の状況を照らし合わせて、できるだけ審査が通りやすい基準の物件を選ぶようにしましょう。
また、アパートやマンションには他にも住人がいるため、大家さんは入居者が他の住人とのトラブルを起こさない人柄かも見ています。
内見の際や契約の過程で、賃貸仲介会社や大家さん会話する機会がありますが、その際も丁寧に接するようにしましょう。
入居審査に必要な書類
入居審査の際には様々な書類が必要になり、主に以下の3つに分けれらます。
- 入居者書類
- 本人確認書類
- 収入証明書類
それぞれどのような書類なのか順番に解説します。
入居者書類
まず、入居者書類として申込書を記入して提出します。
申込書には、以下の情報を記入します。
本人の情報 | ・性別 ・生年月日 ・住所 ・電話番号 ・年収 ・現職場の勤続年数 |
勤務先の情報 | ・会社名 ・住所 ・電話番号 ・業種 ・従業員数 ・資本金 |
また、家族と一緒に住む場合は、他の入居者の氏名・年齢・勤務先・学校名なども記入する必要があります。
さらに、個人の連帯保証人を設ける場合は、連帯保証人の以下の情報も必要になります。
連帯保証人の情報 | ・氏名 ・性別 ・生年月日 ・電話番号 ・入居者との関係 ・年収 ・現職場の勤続年数 |
連帯保証人の勤務先の情報 | ・会社名 ・住所 ・電話番号 ・業種 ・従業員数 ・資本金 |
上記の情報を記入した申込書を不動産会社に提出した後に、賃貸の入居審査が始まります。
本人確認書類
本人確認書類は、基本的に申込時に提出を求められますが、中には審査の途中で改めて提出を求められる場合もあります。
基本的には以下の書類の提出が必要になると認識しておきましょう。
本人確認書類 | ・運転免許証 ・保険証 ・パスポート ・マイナンバーカード ・在留カード |
その他の必要書類 | ・住民票 ・印鑑証明書 |
連帯保証人を設ける場合は、連帯保証人の以下の書類の提出を求められることもあります。
- 本人確認書類
- 収入証明書類
- 住民票
- 印鑑証明書
また、マイナンバーカードをコピーする際は、必ず個人番号が見えないように付箋などで隠してからコピーするように注意してください。
収入証明書類
最後に収入を証明する書類の提出も必要になります。
主に以下の3つのうちのどれかを提出します。
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 確定申告書(自営業・フリーランスの場合)
また、書類ではありませんが、印鑑も必要なので忘れないようにしましょう。
入居審査のスケジュール
入居審査にかかる日数は、一般的に3〜7日程度と言われています。
主な流れとしては、以下のとおりです。
- 大家さんへ必要書類を提出(1日)
- 書類確認・関係各所への連絡(1~3日)
- 本審査・結果通知(1~3日)
上記のスケジュールよりも遅れる場合、理由としては主に以下の5つが挙げられます。
- 提出書類に不備がある
- 連絡が取れない
- 引越しの繁忙期
- 大家さんが遠方にいる
- 大家さんが審査に不慣れ
また、入居審査の際に連帯保証人への確認の連絡もあるので、入居審査をスムーズに進めるためにも、連帯保証人に事前に連絡が来ることを伝えておきましょう。
連帯保証人に連絡がつかない場合も、審査が遅れる可能性が高くなるので注意してください。
年収以外の審査に通らない理由
先述しましたが、年収が基準よりも高いからといって、必ず入居審査に通るとは限りません。
実際に、年収が安定していて家賃が月収の1/3以下の賃貸物件で、入居審査に落ちたという声も聞きます。
そこで次に、年収以外で審査される以下の3つの項目について説明します。
- 入居者の人柄
- 支払い能力
- 連帯保証人
入居者の人柄
入居審査では、入居者がどのような人柄であるかも見られています。
アパートやマンションの場合、大家さんは住居者が快適に生活できる環境を整える義務があるため、入居者間で何かトラブルが起きた際に対処する必要があります。
そのため、入居審査の際にトラブルを起こさない人柄か、事前にチェックしています。
大家さんや賃貸仲介業者と会話する際に、高圧的な態度や暴力的、暴言を吐く、清潔感がないなど、マイナスな印象を与えると審査に落ちる可能性があるので注意してください。
支払い能力
多くの人が入居審査で不安を抱く点は、自分に支払い能力がないと判断されることではないでしょうか。
審査に引っかかる要因としては、年収以外に以下の2つが挙げられます。
- 職業の安定性
- クレジットカードの滞納歴がある
主に入居審査では、月収の1/3の家賃を基準に支払い能力を判断しますが、それ以外にも公務員や大企業の会社員など、職業の安定性高いと審査に有利になります。
もちろん中小企業の社員でも、収入が安定していれば問題はありません。
また、クレジットカードの滞納歴も支払い能力を判断する材料になるので、過去に返済の滞納歴がないか確認してみてください。
連帯保証人
入居者本人の性格や収入は最も重要ですが、連帯保証人がきっかけで審査に引っかかるケースもあります。
主には、以下の2つのケースが挙げられます。
- 連帯保証人の協力が得られない
- 連帯保証人の収入が少ない
まず、連帯保証人を頼む場合は、協力してもらいやすい身内で、収入ができるだけ安定している人に頼むようにしましょう。
また、連帯保証人の協力が得られない場合や、支払い能力が認められない場合は、家賃保証会社の活用で審査が通るか不動産会社に確認してみてください。
賃貸契約の連帯保証人については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
保証人がいなくても大丈夫!連帯保証人がいない人の賃貸契約について解説
入居審査に通るためのポイント
ここまでで、賃貸の入居審査について詳しく説明しましたが、実際に何をすれば入居審査を通過できるのか、わからない方もいると思います。
次に、入居審査の際に抑えておくべき、以下の5つのポイントを説明します。
- 家賃は収入の2割から3割
- 連帯保証人は収入が安定した身内にお願いする
- 不動産や大家さんに良い印象を残す
- 入居申込書に虚偽報告をしない
- かかってくる電話に注意
家賃は収入の2割から3割
まず、収入に比べて著しく高い家賃の物件は入居審査が通りません。
ご自身の手取り収入を確認して、継続的に払うことができる家賃設定を心がけましょう。
家賃の相場は、月収の2割から3割が目安とされています。このとき、ボーナスを除いた手取り年収を基準に考えてください。
また、一般的には公務員や大企業の正社員が審査に通りやすく、勤続年数が長いほうが高く評価されます。
ですが、失職した場合でも家賃の1~2年程度の貯金がある場合は通る可能性があります。
昨年まで働いていた場合は、前年度の源泉徴収票や確定申告書のコピーの提出を求められることがあるので、これらの書類も併せて準備しておきましょう。
連帯保証人は収入が安定した身内にお願いする
連帯保証人は、なるべく自分と関係の近い身内で、定年退職前の人にお願いしましょう。
収入が安定していても、年金生活をしている高齢者の場合は、保証能力がないとみなされることがあるので注意してください。
また、連帯保証人になってくれる人には、自分が家賃を払えなくなった際に、代わりに支払いが発生することを必ず事前に説明しましょう。
不動産や大家さんに良い印象を残す
最初の電話から入居申込までの一連の行動で、人柄や応対態度が審査されています。
大家さんに対して、不動産会社が作成した「入居資格に関する参考資料」といった資料が渡されることが多く、その中には入居希望者の人物像が記載されています。
良い印象を与えたいと、無理に笑顔を作る必要はありませんが、過度な要求や非常識な対応は行わないように気をつけましょう。
また、清潔感のある身だしなみや、きちんとした言葉遣いをするように心がけてください。
入居申込書に虚偽報告をしない
入居申込書には、通常「虚偽の記載をした場合には、賃貸借契約を解除されても異議を唱えない」といった文言が書かれています。
賃貸借契約の締結時には、収入証明書を要求されることもあり、虚偽な内容かどうか照合されることもあります。
虚偽の内容と分かれば、賃貸借契約の締結はできないので、当たり前ですが正しい情報と書類を提出するようにしましょう。
かかってくる電話にご注意を
普段は知らない番号からの電話は出ないという方もいると思いますが、不動産会社からの電話を取らずにいると入居審査が遅れてしまいます。
また最悪の場合、審査が通らなくなる可能性もあります。
なので、審査期間だけでも、かかってくる電話は必ず出るようにしましょう。
また、仕事や家庭の用事などで電話を取れなかった時は、必ず折り返しの連絡をしてください。
入居審査に落ちた場合に行うこと
ここまでは、審査に通るための情報を紹介しましたが、審査に通らない場合も残念ながらあります。
そんなとき、どのようにすれば良いでしょうか。
入居審査が通らなかった場合の3つの対処方法をご紹介します。
次の物件を探す
基本的に、審査に通らなかった理由は教えてくれないことが多いです。
しかし、落ちた理由に心当たりがある場合は、状況を話して通りやすい物件を不動産会社に紹介してもらうことも可能です。
また、別の物件では難なく審査に通ることもあるので、家賃や物件の条件を変更して別の物件を探しましょう。
保証会社を変える
8割の不動産会社が、1回目は審査が厳しい保証会社に依頼すると言われています。
そのため、保証会社を変えることで審査が通ることもあります。
別の不動産で新たに賃貸物件を探し始める場合は、スムーズに入居審査が通るために、1回目で依頼した保証会社を不動産に伝えるようにしましょう。
代理契約をする
他に良い物件がなく、保証会社を変えてみても審査が通らないということもあると思います。
そんな場合は、2親等以内の親族で年収が安定している人に、代理で契約をしてもらうことも検討してみてください。
契約者は代理契約してもらう親族になりますが、その方に家賃をきちんと支払うことができるのであれば問題はありません。
まとめ
今回は、賃貸物件の入居審査の詳細や審査に通るための条件をご紹介しました。
賃貸の内見を行った後に、賃貸契約の申し込みと入居審査が行われます。
なので、それまでに準備が可能な項目に関しては、本記事を参考に準備するようにしてください。
また、入居審査を通るために家賃のことを最優先に考えている方も多いと思いますが、賃貸で一番重要なのは物件の住み心地です。
以下の記事では、後悔しない賃貸物件の選び方をわかりやすく解説しているので、あわせて参考にしてください。
女性必見!1人暮らし賃貸物件の選び方!見るべきポイントも解説
初めての賃貸契約で一人で行うことが不安という方は、ぜひ友人や家族にも相談してみてください。