一人暮らしにおいて、独立洗面台の必要性は悩みどころです。
独立洗面台は便利なものの、居住スペースや家賃が高くなる傾向があることから、実際に必要なのか疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一人暮らしにおける独立洗面台のメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、限られたスペースの有効活用術や収納の工夫についてもご紹介します。
一人暮らしを検討している方にとっては、独立洗面台の有無を判断するにあたって役に立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
独立洗面台とは
独立洗面台とは、浴室やトイレとは異なる場所に独立して設置される洗面台のことです。
また、髪を洗う時にも便利なノズルが付いたシャワーヘッドを持つ洗面台も、独立洗面台の1つです。
賃貸物件における洗面台のタイプは、主に以下の図の4種類あります。
まずはこちらの図を理解しておきましょう。
近年、独立洗面台は特に女性の間で人気が高まっており、新築物件では独立洗面台が増えています。
独立洗面台は、広々としたスペースで身支度ができるだけではなく、洗面台の下にシャンプーなどのストックを保管できる収納が付いているので何かと便利です。
しかし、独立洗面台があると家賃は高くなってしまう傾向にあります。
そのため、家賃を抑えたい方や広さ・立地など、ほかに重視したい条件がある場合は、独立洗面台の優先度を下げることも一つの手段でしょう。
そんな独立洗面台が本当に必要なものなのかどうかを判断するために、独立洗面台があることのメリットとデメリットをご紹介します。
賃貸に独立洗面台がある3つのメリット
まずは、独立洗面台があることによる3つのメリットをご紹介します。
朝の忙しい時間や夜のリラックスタイムに、その利便性がどのように役立つのか、詳しく説明します。
独立洗面台があることのメリットは、主に以下の3つです。
- 収納スペースが充実している
- 電源コンセントが付属されている
- 浴室からの湿気や熱気の影響を受けない
それぞれ順に説明します。
1. 収納スペースが充実している
独立洗面台は収納スペースが豊富です。
ユニットバスに備え付けられているタイプの洗面台の場合、物を置くスペースは歯ブラシを置く場所など、ごく一部に限られています。
ですが、独立洗面台の場合、鏡の裏が収納スペースになり、毎日使う歯ブラシやコップ、洗顔用具、ヘアセット、メイク道具などを一箇所にまとめて置くことができます。
また、洗面台の下部にはシャンプーやボディーソープなどの日用品のストックや、水回りのお掃除グッズもまとめて収納することができてとても便利です。
それらのアイテムを独立洗面台に収納できることで、リビングや部屋を行ったり来たりする手間が省けます。
2. 電源コンセントが付属されている
独立洗面台の足元や鏡の下部には、コンセントが設置されています。
そのため、入浴後にドライヤーを使って鏡を見ながら髪を乾かしたり、シェーバーを電源に接続しながら使用することができます。
ヘアアイロンなど、その他の電化製品も、独立洗面台なら自由に使用できます。
充電式のアイテムもたくさんありますが、充電が切れた場合には電源が必要なので、独立洗面台のコンセントは非常に便利です。
独立洗面台は、メイクができるスペースも十分に確保されているので、洗顔やメイク、ヘアセットまで、移動せずにスムーズに行うことができます。
3. 浴室からの湿気や熱気の影響を受けない
独立洗面台は、名前の通り浴室と完全に切り離された状態で設置されています。
そのため、浴室内の洗面台と比べて、湿気や熱気による鏡の曇りも軽減されます。
また、浴室内の鏡はシャワーの水しぶきなどでよく濡れるため、頑固な水アカが発生しやすいです。
独立洗面台なら、そういった汚れの手入れの手間が少なくなります。
さらに、ヘアメイクをする時には、浴室だと湿気や熱気の問題に悩まされるので、基本的には別の場所にメイクスペースを設ける必要があります。
そういった場合に、独立洗面台は浴室から完全に切り離されているので、湿気や熱気に悩まされることはありません。
賃貸に独立洗面台がある3つのデメリット
次は、独立洗面台があることのデメリットをご紹介します。
快適な一人暮らしを追求する一方で、注意が必要な点や検討すべき事項についても説明します。
独立洗面台があることのデメリットは、主に以下の3つです。
- 家賃が高い傾向にある
- 掃除がしにくくカビが発生しやすい
- 他の居住スペースが狭くなる
それぞれ順に説明します。
1. 家賃が高い傾向にある
独立洗面台のある賃貸物件の最大のデメリットは、家賃の高さです。
浴室・洗面台・トイレが1つのスペースに組み込まれたユニットバスと比べて、設置コストがかかってしまうので、家賃も高くなります。
また、独立洗面台の設置は新築・築浅物件に多いことから、家賃が高くなる傾向にあります。
なので、家賃を安く抑えたいという方は、独立洗面台のない物件を探すと良いでしょう。
2. 掃除がしにくくカビが発生しやすい
独立洗面台と壁の隙間は、ホコリがたまりやすく、水はねが入りやすい場所です。
そのため、こまめな掃除をしないとカビの発生につながります。
また、独立洗面台で洗髪ができるタイプは、髪が排水溝を詰まらせてニオイの原因になることもあります。
独立洗面台がある物件に住む場合は、排水口にゴミ受けを取り付けて、定期的に掃除するように心がけましょう。
3. 他の居住スペースが狭くなる
一人暮らし用の賃貸物件で独立洗面台があると、リビングなどの居住スペースが狭く感じることがあります。
同じ専有面積の部屋であれば、独立洗面台がない物件の方が他の居住スペースは広くなります。
優先順位が広さの場合は、独立洗面台がない方が良い場合もあるでしょう。
一人暮らしに独立洗面台が必要な人の特徴
ここまで独立洗面台のメリット・デメリットについて紹介してきましたが、一人暮らしにおける独立洗面台の必要性は、個々のライフスタイルによって異なります。
そこで次に、独立洗面台が必要な人の特徴をご紹介します。
以下の3つの特徴のどれかに当てはまる方は、ぜひ独立洗面台付きの物件を検討してみてください。
- カップルなど2人以上で住む
- 身支度に時間がかかる
- ヘアメイクに時間をかけたい
カップルなど2人以上で住む
2人以上で住む場合は、洗面台が独立していると効率が良いでしょう。
一人暮らしの場合は、ユニットバスでも十分ですが、夫婦やカップルで住むとなると混雑しやすく、とても不便です。
例えば、朝の忙しい時間など、自分のリズムでお風呂に入れず、鏡も見られず身支度できないなど不便を感じるでしょう。
独立洗面台は収納スペースも豊富で、一度に2人が洗面台に立っても邪魔になりづらいので時間も無駄になりません。
また、片方がお風呂に入っている時も洗面台が使えるので安心です。
身支度に時間がかかる
朝の時間がバタバタしがちな人は、瞬時に身支度ができる独立洗面台が必要です。
独立洗面台があると、歯磨きに必要なものや洗顔のために必要なもの、その他の身支度に必要なものなどをまとめて置いておき、すぐに使用できます。
ユニットバスの場合は、それだけのものを1か所に置いておくことが難しいので、それぞれの置き場所を往復する必要があります。
特に、朝は時間がないと感じる方にとっては、独立洗面台は無駄な時間を減らすことができ、とても便利になります。
ヘアメイクに時間をかけたい
スタイリングをしっかりとしたい方や外見に気を使う方には、身だしなみを整えるために時間をかけられる独立洗面台はおすすめです。
ユニットバスの小さい鏡だと全体の確認ができないため、身だしなみを整えるのにはあまり適していません。
一方の独立洗面台は、化粧品やワックス、ヘアアイロンなども収納でき、コンセントが備わっているので、ドライヤーも大きな鏡を見ながら使用できます。
一人暮らしに独立洗面台がいらない人の特徴
独立洗面台が必要になる人の特徴を紹介しましたが、次は独立洗面台がなくても困らない人の特徴を紹介します。
生活スタイルや優先事項によっては、独立洗面台が不要なケースもあります。
以下の2つの特徴のどれかに当てはまる方は、独立洗面台の必要性は低く感じるでしょう。
- 掃除が苦手
- こだわりがない
掃除が苦手
独立洗面台があると、掃除の手間が増えるので、お手入れが大変になります。
浴室内に洗面台があれば、お風呂に入る際やお風呂掃除の際に、洗面台も一緒に洗うことができます。
また、浴室のシャワーを使用して、洗面台を丸洗いすることも可能です。
独立洗面台は、浴室・トイレ・洗面所の3箇所を別々に掃除することになるので、面倒くさがりの方にはあまり向いていないかもしれません。
こだわりがない
こだわりがない方は、特に高い家賃を払ってまで独立洗面台がある物件を選ばなくても良いでしょう。
物も少なく、必要なものだけ揃っていれば良いという方も、あまり必要性は感じないかもしれません。
洗面所は、日常生活において不可欠なスペースです。
なので、独立洗面台が必要かどうかは、個人の生活スタイルや優先順位によって異なるでしょう。
こだわりがない方は、独立洗面台がない物件を選び、家賃を抑えると良いでしょう。
一方で、快適さやプライバシーを重視する方は、独立洗面台がある物件をおすすめします。
独立洗面台がない場合の収納の工夫
独立洗面台がない一人暮らしでも、効率的な収納のアイデアで快適な空間を実現できます。
次は、独立洗面台がない場合の収納の工夫を5つ厳選してご紹介します。
- 収納スペースを増やす
- 床の水濡れ対策
- 湿気・カビ対策
- ヘアメイク・身支度コーナーを作る
- キッチン周りを活用する
上記の5つの工夫について、それぞれ詳しく解説します。
1. 収納スペースを増やす
独立洗面台がない場合は、まず収納スペースを作りましょう。
毎日使う歯磨きセットや洗面用具は、浴室の洗面台の近くに吸盤タイプのラックや壁掛けタイプのワイヤーラックなどを使って、水に濡れても大丈夫な収納スペースを作ると便利です。
tower フィルムフック サニタリーラック
特に歯ブラシは、浴室とキッチンの2ヶ所に置いておくと、毎日が楽になります。
また、メイク道具やヘアスタイリング剤、ドライヤー、日用品などは、ステンレスの収納カゴやプラスチックのバッグなどにまとめて、お部屋やキッチンに置いておくと良いでしょう。
小分けにできるボックスに収納すると、整理整頓が簡単で使いやすくなります。
また、ものを上に置けるタイプの突っ張り棚を活用すれば、トイレの上部の空間も収納スペースになります。
掃除用品やストック品、トイレの消耗品などを収納するのに便利でしょう。
2. 床の水濡れ対策
ユニットバスを使用していると、浴室内の床が濡れてしまうのはよくあることです。
また、洗面ボウルが小さいため、顔を洗う際に水がこぼれることもあります。
バスマットを敷いたり、タオルで拭いたりするなどの対策もいいですが、洗濯物の量が増えるのが難点です。
そこでおすすめなのが、使わない時に立てかけて収納できる速乾の珪藻土マットの活用です。
洗面所を濡らすことなく、衛生的に利用できます。
さらに、毎回靴下を脱いで浴室に入っている方は、防水スリッパを用意しておくと良いでしょう。
3. 湿気・カビ対策
独立洗面台がない場合、入浴後の湿気対策は重要な課題です。
浴室内を早く乾燥させるためには、窓のある物件を選び、換気扇もできるだけ回し続ける必要があります。
ユニットバスの湿気やカビ対策としては、入浴後に壁や浴槽の水滴をしっかり拭き取り、乾燥させるために換気扇を回すことが効果的です。
大型のスキージーを使用すると、壁や床の水滴を一気に水切りすることができ、とても便利です。
また、お風呂から上がる際に熱いお湯を浴槽内にかけると湿気を迅速に除去することができます。
間取りによりますが、浴室のドアを全開にして部屋に湿気を流すのも良いでしょう。
特に冬はエアコンで空気が乾燥するため、部屋の湿度を補うのにも役立ちます。
湿気がこもった状態はカビの原因にもなるので、換気をすることはとても重要です。
4. ヘアメイク・身支度コーナーを作る
ヘアメイクをするときは、お部屋の一角に専用のスペースを作ると、身支度がしやすくなります。
独立洗面台がなくても、小物をまとめて入れる収納ボックスを用意すれば、持ち運びもできます。
鏡付きの専用ボックスや、収納付きのテーブルなどを使用するのもおすすめです。
BRIMNES(ブリムネス)ドレッサー
また、室内でメイクする場合、全身鏡を設置することも検討してみてください。
独立洗面台では上半身までしか映りませんが、全身鏡を使えば、ヘアメイクをしながら全身の身だしなみをチェックできます。
ですが、テーブルの高さによっては鏡が適切な位置にならず、低すぎてメイクがしにくい場合もあるので注意が必要です。
5. キッチン周りを活用する
独立洗面台がない場合、キッチンの流し台を代わりに利用することもできます。
毎日使用する歯ブラシやコップ、洗面用具をキッチンシンク付近に置くと、独立洗面台のように有効活用できます。
調理器具が配置されるキッチン周りでは、洗面用具を置くスペースを確保することは難しいかもしれません。
ですが、壁に取り付けられる収納グッズやスパイスラック、ペン立てや縦長の小物入れなどを使用することで、キッチンのデッドスペースを有効活用できます。
スタンド式の鏡や壁に貼り付けるタイプの鏡を設置して、身だしなみのチェックをすることも可能です。
まとめ
今回は、一人暮らしの賃貸物件を選ぶ際に、独立洗面台を設置することのメリット・デメリットや収納の工夫についてご紹介しました。
独立洗面台があることで、お部屋の利便性や快適さが向上するというメリットがあります。
一方で、独立洗面台のある賃貸物件は、家賃相場が高いというデメリットもあります。
また、独立洗面台がない場合でも、効果的な収納のアイデアで、スペースを最大限に有効活用する方法もご紹介しました。
これらの情報を通じて、一人暮らしの住環境をより良いものにしてください。