一人暮らしのための賃貸を探している方にとって、ロフト付き物件は魅力的な選択肢になります。
しかし、賃貸ロフトの定義は明確ではなく、人によって解釈が異なることもあります。
この記事では、賃貸物件のロフト付きの定義について解説し、またロフト付き物件のメリット・デメリットについて解説します。
さらに、一人暮らしにおけるロフトのスペース活用術についてもご紹介するのでぜひ参考にしてください。
賃貸ロフト付きの定義とは?
ロフトには建築基準法上で厳格な規定があります。
ロフトは建築基準法上では「小屋裏物置等」という扱いになり、天井高を1.4m以下に制限し、床面積は直下の部屋の8分の1までに制約されます。
この「小屋裏物置等」とは、小屋裏、天井裏、床下のいずれかの空間に物置として設けられたスペースのことです。
つまり、ロフトは「居住スペース」ではなく「収納スペース」として設計されているものということになります。
そのため、居室の床面積にはカウントされません。
また、ロフトの内部には収納スペースやテレビ・インターネットなどのジャックを設けることはできず、可動式のハシゴを取り付けることが必要条件となります。
さらに、コンセントも1か所までしか利用できないという制限もあります。
ロフトを寝室として活用する方も多くいますが、上記の規定があるので、限られた使い方になってしまうことを理解しておきましょう。
そんなロフト空間がある賃貸物件のメリットとデメリットをご紹介します。
賃貸のロフト付き物件のメリット
まずは、賃貸ロフトの魅力的なメリットを詳しくご紹介します。
高い天井から広がる開放感、ユニークなデザイン、さらに収納スペースの創出など、ロフトがもたらす魅力を深堀りしていきましょう。
ロフトのメリットは主に以下の6つです。
- 天井が高く開放感がある
- 部屋をゆったり広々と使える
- 収納としてスペースと活用できる
- 寝室スペースが確保できる
- 趣味の場所や隠れ家として活用できる
- 同じ広さの物件と比べて家賃がお得
それぞれ順番に解説します。
1. 天井が高く開放感がある
ロフト付きの物件は、一般的なお部屋と比べて約2倍天井が高くなっています。
高い天井が設けられているため、ロフトの下にいる場合でも天井を高く感じ、開放感を感じることができます。
そのため、ロフト付きの物件は、広い空間を希望する方にとてもおすすめです。
2. 部屋をゆったり広々と使える
ロフト部分は床面積に含まれないため、通常の物件よりも部屋の面積は実質的に広くなります。
一般的なアパートやワンルームマンションでは、部屋の広さは約15〜20㎡の場合が多く、そのうち居室部分は10㎡ほどです。
そこに家具などを置くことになるので、広い空間を確保することは難しいでしょう。
だからこそ、アパートやワンルームマンションがロフト付きであれば、居室部分に収納スペースや寝る場所を確保しやすく、通常の物件より部屋を広く使えます。
3. 収納としてスペースと活用できる
ロフトのスペースは、収納スペースとしても重宝します。
一般的な一人暮らし用のアパートやワンルームマンションでは、収納スペースの広い物件は多くはありません。
物件によっては、収納スペースがないこともあるでしょう。
一方でロフト付き物件では、ロフトを収納スペースとして活用することで、居室スペースを確保することができます。
特にかさばる衣服など、ロフトは理想的な保管場所と言えるでしょう。
他にも、マンガ本やDVDなど、荷物をまとめてロフトに収納すれば居室の生活空間が増えます。
また、収納物が目に見えないようになることで、お部屋全体がスッキリ見えます。
4. 寝室スペースが確保できる
ロフトは、寝室スペースとしても活用できます。
一般的なアパートやワンルームマンション物件では、居室にベッドを置くと空間に余裕がなくなってしまいます。
そのため、ロフトを寝室スペースとして確保することで居室全体を広々と使うことができます。
ベッド代わりとしてマットレスを敷くだけで寝るスペースが作れて、寝具の上にものを置くことがなくなるため、寝場所を汚さずに確保できる点も魅力です。
また、冬の時期は、エアコンで暖められた空気がロフトに流れるので、暖かさが保たれます。
5. 趣味の場所や隠れ家として活用できる
ロフトのスペースは、はしごを使って別空間へ行くことから部屋の中の隠れ家・趣味の場所としても最適です。
コレクションのアイテムを展示したり保管したりすることができ、人に見られたくない趣味のものでロフトをいっぱいにすることも可能です。
趣味の物を下の居室に置いておくと、来客があった時に見られてしまいますが、ロフトに趣味の場所を確保しておけば、はしごを上らない限り見られることはありません。
なので、自分の趣味をひっそりと楽しみたい方は、ロフトの空間に自分の趣味の世界観を作り上げ楽しむと良いでしょう。
6. 同じ広さの物件と比べて家賃がお得
ロフト付き物件は、同じ広さの物件と比べると家賃が安く、コストパフォーマンスが良いと言われています。
一般的な家賃は、専有面積が広くなるほど高くなる傾向があります。
ですが、ロフト部分は建築基準法で居室として認められないため、専有面積としてカウントされません。
また、ロフト付き物件は、建設コストの安い木造で建てられることが多く、防音性が低く人気がないとも言われており、家賃が安く設定されています。
ロフト付きの物件は、専有面積が広くなり、家賃は通常物件よりもお得になる場合が多いです。
賃貸のロフト付き物件のデメリット
賃貸のロフト付き物件が持つ魅力は確かですが、一方で注意が必要なデメリットも存在します。
次は、賃貸ロフトのデメリットを詳しく解説します。
ロフトのデメリットは主に以下の5つです。
- はしごの上り下りが面倒
- エアコンが効きにくい
- 掃除がしにくくホコリがたまりやすい
- 照明器具の交換が大変
- 上階の騒音が気になる
それぞれ順番に解説します。
1. はしごの上り下りが面倒
ロフトに行く際には、必ずはしごを上り下りしなければなりません。
物件によっては、固定されていない階段や急な角度のはしごが多く存在するので、慎重に上り下りしないと、うっかり滑ってけがをする可能性もあります。
そのため、頻繁にロフトの移動をすると、上り下りの煩わしさがデメリットと感じる方も多いでしょう。
また、荷物の出し入れの際も少し大変かもしれません。
そのため、最初は楽しいと感じていたロフト生活も、徐々に煩わしく感じ、結局物置きになってしまうというケースも少なくありません。
2. エアコンが効きにくい
ロフト付き物件はエアコンの効果が悪いというデメリットがあります。
暖かい空気は上にこもり、冷たい空気は下へと沈むという性質があるので、部屋全体にエアコンの効果が行き渡るまでに時間がかかります。
また、エアコンや窓の位置によっては、ロフト部に空調が行き届かず暑苦しい状況になることもあるかもしれません。
サーキュレーターや扇風機などで空気を循環させれば、暑苦しさは改善されるので、ロフト部にコンセントがあるかどうかも確認しておきましょう。
さらに、ロフト付き物件は天井が高いため、部屋全体を冷やしたり暖めたりするにはエアコンを強力に使用する必要があります。
それに伴い、電気代も高くなってしまう傾向があることも覚えておきましょう。
3. 掃除がしにくくホコリがたまりやすい
ロフト部分の天井の高さは1.4m以下のため、女性の方でも中腰になる必要があります。
そのため、リビングのように立ったまま掃除することは難しく、掃除がしにくいというデメリットがあります。
元々、ロフトの奥はホコリがたまりやすい空間なので、簡易的な小型掃除機を1台用意しておいた方が良いでしょう。
ドライシートや粘着カーペットクリーナーなどで、こまめに掃除することをおすすめします。
4. 照明器具の交換が大変
ロフト付き物件は、照明が高い位置に設置されているので、通常の脚立では照明器具に手が届きません。
なので、通常の賃貸物件よりも天井が高く、照明器具や電球の取り付けが難しいというデメリットがあります。
通常の賃貸物件では、入居者自身が電球や蛍光灯を切れた場合に交換することが一般的です。
ですが、ロフト付き物件の場合は、専用の脚立を大家さんや管理会社から借りたり依頼することが多くなるでしょう。
そのため、電球や照明器具の交換は事前に依頼する手間や交換までの時間がかかることも考えられます。
入居前に電球や照明器具の交換について確認しておくと良いでしょう。
5. 上階の騒音が気になる
ロフト付き物件では、上階の足音や話し声などの生活音が簡単に聞こえます。
ロフトの高さは1.4m以下と制限されており、一般的なアパートやマンションの部屋と比較すると、天井に近くなるので仕方がないことです。
なので、上の階との距離が近く、騒音が気になることはあらかじめ理解しておきましょう。
また、一般的なアパートのロフト付き物件の場合、遮音性が低い木造で建てられていることが多く、音や振動がより響きやすいです。
騒音を心配したくない方は、家賃は少しは高くなる可能性がありますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のアパートやマンションを選ぶようにしましょう。
一人暮らしのロフトのスペース活用術
次は実際にロフト付き物件に住む際のロフト活用術をご紹介します。
以下の4つの活用術をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 大きな家具類は奥の壁に寄せて設置する
- 背の低い家具で圧迫感のない空間にする
- 洗濯物を干すスペースに活用する
- ロフト階段を収納スペースとして活用する
大きな家具類は奥の壁に寄せて設置する
ロフトのスペースを効果的に活用するためには、大きな家具類を奥の壁に寄せて設置することをおすすめします。
このアプローチは、スペースを広く確保して、使い勝手を向上させるための方法です。
奥の壁に家具を寄せることで、前面のスペースが広がり、開放感を生み出します。
また、移動や動線もスムーズになり、スペースの有効活用が可能です。
この配置は、クローゼットや収納スペースを確保しやすくするとともに、オープンなスペースを活かして自分らしいインテリアを演出することに繋がります。
家具の配置によっては、ロフト全体のバランスやデザインも向上させることができるでしょう。
大きな家具を奥の壁に寄せて設置することで、機能性と快適性を両立させた理想的な一人暮らしのロフトスペースを実現できます。
背の低い家具で圧迫感のない空間にする
一人暮らしのロフトのスペース活用術として、背の低い家具で統一することもおすすめです。
ロフト付き物件は通常、天井が高く開放的なデザインとなっているため、背の低い家具を選ぶことで、その開放感を損なわずにスペースを有効に利用できます。
また、背の低い家具を選ぶことで、圧迫感を軽減し、空間全体を広く見せる効果があります。
例えば、ローソファやローテーブルなどの低い家具を選ぶことで、視線が遮られることなく広がりを感じることができるでしょう。
背の低い家具で統一して一人暮らしのロフト部を最大限に活用することで、開放感を保ちながら快適な居住空間を作り出すことができます。
洗濯物を干すスペースに活用する
ロフト部は洗濯物を干すスペースに使うこともできます。
一人暮らしでは、家の狭さから部屋干しをするのが難しい場合も多いので、ロフト部を活用すると良いでしょう。
特に、天窓付きの物件であれば、太陽の光をたくさん取り込めむことができ、部屋干しでも問題ありません。
外で洗濯物を干すことができない方にも便利な活用術です。
また、急な来客時にも洗濯物を隠したまま干しておけるため、洗濯物を見られたくないという方にも、隠し場所的な要素があるのでおすすめです。
ロフト階段を収納スペースとして活用する
一人暮らしのロフト部を効果的に活用する方法の一つは、ロフト階段を収納スペースとして活用することです。
通常、ロフト階段はスペースを占有しつつも、その下に空間ができる可能性があります。
このスペースを収納として利用することで、限られたスペースを有効に活用できます。
ロフト階段の下には、引き出しや収納ボックスを配置することで、季節ごとの衣類や小物、書類などを整理整頓できます。
さらに、階段の段自体を収納スペースとして使うことも可能です。
まとめ
今回は、一人暮らしにおけるロフト付き物件のメリット・デメリット、そしてスペース活用術についてご紹介しました。
ロフト付き物件は、高い天井や開放感のある空間が特徴で、さまざまな用途に活用することができます。
また、プライベートなスペースを確保することができるため、リラックスした生活を送ることもできるでしょう。
一方、デメリットとしては、階段の上り下りが必要なことやエアコンの効率が悪いことなどが挙げられます。
このように、ロフト付き物件にはメリット・デメリットがありますが、スペースを工夫して活用することで快適な生活を送ることができます。
あなたのライフスタイルやニーズに合った物件を選び、スペースを有効活用して、理想の生活を実現してください。