一人暮らしを始める際にルームシェアも選択肢の一つです。
ルームシェアは、近年若者を中心に人気を集めているライフスタイルです。
住居を複数人で共有することで、生活費の節約や社交的な生活を送ることができます。
本記事では、そんなルームシェアのメリット・デメリットや快適に共同生活をするために必要なポイントについてご紹介します。
ルームシェアがもたらすメリット・デメリットを理解することで、自身の生活スタイルに合った選択をすることができるでしょう。
さまざまな事例や成功のコツをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ルームシェアの定義とは
ルームシェアとは、家族以外の友人などと複数人で賃貸物件を借りて、部屋の一部または全てを共有して共同生活をすることです。
何人とシェアをするか、何を共有するかは、それぞれ異なりますが、主にリビングやキッチン・風呂・トイレを共有する場合が多いです。
基本的にはそれぞれが自分の居室を持ちながら、他の人々と共同生活をする形態がルームシェアということになります。
また、同居人は「ルームメイト」や「シェアメイト」と呼ばれます。
ルームシェアのメリット
まずはルームシェアをすることのメリットをご紹介します。
生活費の分担から社交的な環境まで、ルームシェアのメリットを詳しく解説します。
ルームシェアの主なメリットは以下の6つです。
- 金銭的な負担を抑えられる
- さみしくない
- 家事の分担ができる
- 何かあった時に助け合える
- 生活面で安心感が生まれる
- 気が合えば毎日が楽しい
それぞれ順番に解説します。
1. 金銭的な負担を抑えられる
ルームシェアの最大のメリットは、費用の負担を抑えられることです。
家賃の負担だけではなく、月々の光熱費や食費もシェアすることで安く抑えることができる上に、引っ越しの初期費用も負担が少なります。
家賃や光熱費を同居人の人数で割ることができるので、一人暮らしよりも支出を抑えることができます。
特に魅力的なのは、節約しながら広い部屋に住むことができる点です。
例えば、都内で一人で住む場合、ワンルームの家賃は通常7~8万円ほどで、広い1LDK以上のお部屋は家賃が10~12万円くらいになります。
1LDK以上の家賃を折半すると1人当たりの負担は5~6万円ほどで済みます。
このように、家賃を折半することで、一人暮らしよりも少ない費用で広いお部屋に住むことができます。
お部屋が広くなると、キッチンやトイレ、お風呂などの設備もより充実したものになるケースが多く、ワンルームよりも充実した環境で暮らすことができるでしょう。
2. さみしくない
一人暮らしだとふとした瞬間に寂しさを感じる方も多くいます。
そんな方でもルームシェアなら、寂しくなりません。
「行ってらっしゃい」や「おかえり」などの挨拶や、先に相手が帰っていれば部屋が明るかったりエアコンが効いていたりするので、精神的な辛さが軽減されるでしょう。
時には、その日にあった出来事をお互いに話したりすることもあり、ホームシックになることも少なくなります。
3. 家事の分担ができる
ルームシェアでは、家事を分担することが一般的です。
一人暮らしでは、毎日の掃除や洗濯、料理、洗い物など、たくさんの家事をこなさなければなりません。
ですが、ルームシェアの場合、シェアメイトと協力して分担することで、家事の負担を軽減することができます。
例えば、曜日ごとの当番制や、得意な家事を担当するなど、柔軟にルールを決めると良いでしょう。
その結果、家事をする時間が減り、その分自分の趣味や好きなことに充てることができます。
また、一人暮らしの場合には、余ってしまいがちな食材の無駄も省ける点も大きな魅力の1つです。
4. 何かあった時に助け合える
ルームシェアをしていると、病気やトラブルが起きた時など、いろいろな場面で支え合うことができます。
体調が悪くなった時にお世話してもらったり、宅配便を代わりに受け取ってもらったりと、一人暮らしではできない手助けをしてもらうことができます。
体調が悪くなった時は特に不安になるものです。
そんな時、ルームシェアの良さを実感することでしょう。
5. 生活面で安心感が生まれる
ルームシェアは、2人以上で住む形態のため、不在時間が減り防犯リスクが軽減されます。
また、空き巣などの犯罪に巻き込まれる可能性も低くなるため、防犯面でも安心できるでしょう。
シェアメイトが自分よりも先に帰宅している場合もあり、安心感も生まれます。
旅行や実家に帰るなど、長期間家を空ける際も安心してお出かけできるでしょう。
6. 気が合えば毎日が楽しい
シェアメイトが気心知れている友人だったり、ルームシェアをして気が合う相手になった場合は、毎日がとても楽しくなります。
ルームシェアをしていると、平日の朝食や夕食の時間、そして休日など、いつも一緒にいることが多くなります。
そのため、予定も組みやすく、休日に買い物や映画など一緒に遊びに行く時間も増えます。
別々に暮らすよりも、一緒に過ごす時間が増えることでさらに関係も深まります。
また、シェアメイトがいることで、さまざまなお得情報を共有することもできます。
例えば、セールやイベント情報など、たくさんの情報を交換することで、一緒に素敵な思い出を作ることもできるでしょう。
ルームシェアのデメリット
ルームシェアにはメリットだけでなく、注意が必要なデメリットも存在します。
次はルームシェアをすることのデメリットをご紹介します。
良い面と悪い面の両方を理解し、スムーズな共同生活を送るための知識を得ていきましょう。
- プライベートの時間を確保しにくい
- 価値観が違いすぎるともめる
- 金銭トラブルが頻発する
- 生活リズムが合わず気を遣う
- 相手都合でルームシェアを解消される場合がある
それぞれ順番に解説します。
1. プライベートの時間を確保しにくい
ルームシェアは、一人暮らしの寂しさを感じずに済む一方で、一人になりたいと思った場合にはストレスを感じるでしょう。
それぞれの部屋があるとしても、隣人との間にはしっかりとした壁があるわけではありません。
物音や生活音が聞こえると、気が散ったり落ち着かないこともあるでしょう。
また、リビングやキッチン、水まわりを共用していると、常に人の気配を感じるものです。
自分の部屋にいてもリビングなどの共用部分が騒がしいときは、作業や仕事に集中できず、はかどらないこともあります。
そのため、自分の部屋は確保できるものの、他人との共同生活のためプライベートの時間を確保できないと感じる経験者も少なくありません。
2. 価値観が違いすぎるともめる
デメリットの1つとしてシェアメイトとの価値観の違いが問題を引き起こすことが考えられます。
掃除の頻度や水回りの使い方、トイレの使用方法など、一人だと気にならないことが気になり、喧嘩になるというケースはルームシェアではよくあることです。
自分と同じ環境で生まれ育ってきた人はいません。
自分が考えている常識が通じないことも時にはあるでしょう。
そのような時は、お互いの文化や身につけてきた常識を理解し合い、自分の価値観を押し付けることなく生活することが、共同生活を円滑にする上で重要なポイントとなります。
どれほど仲がいい友人と暮らすと言っても、所詮は他人です。
ルームシェアを始める前に、家事の分担や支払い、共用スペースの使い方など、生活のルールを決めておくことが重要です。
3. 金銭トラブルが頻発する
ルームシェアは、家賃や生活費などの金銭に関する揉め事は起こりやすくなります。
例えば、シェアメイトが
- 金銭的に自立していない
- 浪費癖がひどい
- 突然仕事を失った
などの場合は、どのようなルールを決めても、その期日がズレてしまうことがあるでしょう。
または、代わりに支払わなければならないケースも出てくるかもしれません。
ルームシェアは、このようなリスクを背負うことも事前に覚悟しておく必要があります。
4. 生活リズムが合わず気を遣う
寝る時間、起きる時間をはじめ、生活リズムや習慣が合わず、相手を気遣う必要があります。
一人暮らしのときは、自分の好きなタイミングでお風呂やトイレを使うことができましたが、ルームシェアをしていると、使いたい時に使えないケースは多々あります。
例えば、お互いに朝風呂派だった場合は、時間帯が被らないように気遣う必要が出てきます。
また、仕事の都合で夜中にシャワーを浴びる場合も同様です。
他にも、お風呂や洗面台の使い方、ごみのまとめ方などが違うなど、様々なことでトラブルが起きる可能性もあります。
一緒に暮らしているのだから全く別の生活というわけにはいきません。
そのため、お互いを尊重することが大切になります。
5. 相手都合でルームシェアを解消される場合がある
ルームメイトの結婚や転勤、あるいは関係性が悪くなってしまったなどで、ルームシェアが突然解消されることもあります。
また、ルームシェアは一時的な解決策として暮らす人も少なくありません。
そのため、シェアメイトに突然恋人ができたからと言ってあっさりと解消されることもよくあるケースです。
シェアメイトが出て行く場合、引越しをするか、住み続けるためには折半していた家賃を一人で払わなければならないため、かなりの負担になります。
急なルームシェアの解消を円満にするためには、退去時にかかる費用や家賃・生活費に関して、事前にルールを決めておくと良いでしょう。
また、共用スペースの家具や家電についても誰の所有物なのか最初に決めておくと安心です。
ルームシェアができる物件は少ない
一般的にルームシェアを良しとする賃貸物件は少ないです。
なので引越しを考える時は、必ず不動産でルームシェアをして良い物件なのか聞くようにしましょう。
また、ルームシェアできる賃貸物件が少ない理由は、主に以下の2つです。
- 退去が多く家賃収入がなくなってしまうため
- 騒音など近隣からの苦情を避けるため
それぞれ詳しく解説します。
退去が多く家賃収入がなくなってしまうため
ルームシェアが可能な賃貸物件が少ない理由の1つとして、シェアメイト同士のトラブルにより退去が多く、家賃収入がなくなってしまうことが挙げられます。
どんなに仲が良くても、金銭問題や価値観の違いなど、さまざまな理由からケンカやトラブルは避けられません。
その延長線上にはルームシェア解消が待っており、退去が多いのが現実です。
大家さんにとっては、空室になると家賃収入がなくなってしまいます。
リスクのあるルームシェアよりも、きちんと家賃を払ってくれる一人暮らしやファミリーで空室を埋めたいと考える大家さんは少なくありません。
そのため、ルームシェア不可の賃貸物件が多いとされています。
また、場合によっては、予防策として通常よりも高い敷金や礼金を請求されることもあります。
騒音など近隣からの苦情を避けるため
特に友人同士でルームシェアをする場合は、夜通し騒ぐ可能性もあり、一人暮らしよりも近隣トラブルになりやすい傾向があります。
近隣トラブルになると、周りの住民が引越してしまう可能性も考えられるため、大家さんにとってはリスクが高くなってしまいます。
こういった苦情やトラブルを防ぐために、ルームシェアができる賃貸物件が少ないということになります。
快適なルームシェアを実現するためのコツ
ここまででルームシェアのメリット・デメリットをご紹介しました。
次は、そんなルームシェアを成功させるために行うべき5つのコツをご紹介します。
円滑なコミュニケーションからルールの設定まで、様々なポイントがあるので、ぜひ参考にしてください。
- 費用の支払い方法をはっきりさせておく
- 家事の分担を徹底する
- 人を招くときの約束を交わしておく
- 退去時のルールを決めておく
- 内見はシェアメイトと一緒に行く
1. 費用の支払い方法をはっきりさせておく
家賃や光熱費、食費など、費用の支払い方法をしっかりと明確にすることが重要です。
片方がお金にルーズだと支払いが遅れてしまい、真面目な方に負担がかかってしまう可能性があります。
生活でかかる費用を細かく記録して、月に1度のペースで「精算日」を設けましょう。
もしも精算日が遅れてしまっても、一方がお金に困ることがないように「予備の費用」をあらかじめ徴収しておく方法もあります。
また、シェアメイト同士で共用の口座を作っておくことも、ルームシェアの成功のためのコツです。
その口座から家賃や光熱費の支払いを引き落としにすると、代表者の手間が省け、支払いを忘れてしまうこともありません。
ルームシェアを成功させるためにも、初めに家賃や光熱費の負担割合や支払い方法は必ず決めておきましょう。
2. 家事の分担を徹底する
ルームシェアにおいて、家事の分担はトラブルの原因となりがちです。
誰か1人に家事を押し付けてしまうと、ストレスや不満が溜まり、喧嘩になりやすくなってしまいます。
そのため、家事の分担は徹底しておきましょう。
曜日や時間帯に応じて、どちらがどの家事をするか、掃除や洗濯、料理、皿洗い、ゴミ出しは誰がいつ行うかを明確に決めておくことが重要です。
もちろん、すべてが計画通りに進むとは限りませんが、一方が家事を代行する場合は、必ず後でバランスを取るようにしましょう。
予期せぬ事態が発生した場合に備えて、当番制度が乱れた時の対応策を事前にルール化しておくこともおすすめです。
また、担当の日に家事を行わない場合に備えて、ペナルティも決めておきましょう。
ペナルティを決めることで、自分の担当を忘れにくくなり、相手が家事をしなくても許す心を持つことができます。
ペナルティの内容も、ルールと同様に住人同士で話し合って決めることが大切です。
3. 人を招くときの約束を交わしておく
ルームシェア生活で見落としがちですが、人を招くときの約束も必ず交わしておきましょう。
シェアメイトがいることを考えると、家に誰かを呼びたくても、まずは同居人の承諾を得る必要があります。
相手にとっては知らない人が家にやってくることになるので、気を遣うことやストレスを感じることもあります。
- 共通の友人以外は呼ばない
- 恋人を呼んでいい日を決める
といった具体的なルールを作ることで、お互いに迷惑をかけずルームシェアを継続できるでしょう。
4. 退去時のルールを決めておく
ルームシェアが決まったら、退去する際のルールも決めておきましょう。
主に、決めておきたいことは以下の4つです。
- ルームシェア解消は何ヶ月前までに伝えるか
- 共用スペースの家具や家電の所有権
- 家賃の日割り方法や割り勘方法
- 引越し費用と退去時にかかる費用
どちらかの退去はお金に関わることなので、大きなトラブルになりがちです。
しっかりと具体的なルールを決めておくことをおすすめします。
突然解消と言われたシェアメイトは困ってしまう可能性もあるので、余裕を持ったスケジュールを伝えましょう。
また、ルームシェアは、だらだらと続けるのではなく、2~3年など物件の更新時期に合わせた期間を決めておくことも1つの手段です。
5. 内見はシェアメイトと一緒に行く
シェアハウスの内見は、シェアメイトの予定を調整して必ず一緒に行きましょう。
一人でも納得していない人がいると、契約後に不満が発覚してトラブルになる可能性があります。
また、内見のチェック項目は以下を参考にしてください。
- 立地
- 部屋数
- リビングなど共用スペースの有無
- ユニットバスか否か
- 周辺環境
- 日当たり
以上のことを考慮して、必ずシェアメイト全員が納得できる物件を契約しましょう。
そのためには、なるべくシェアメイト全員で内見に立ち会うことをおすすめします。
ルームシェアとシェアハウスの違いとは?
ルームシェアとシェアハウスの違いは、住居の形態です。
「シェア」とは共有することを意味します。
なので、ルームシェアとは部屋を共有することで、シェアハウスは家を共有するということになります。
つまり、ルームシェアは、1つの部屋を複数の人と共有して生活するスタイルです。
例えば、ワンルームに2人で住む場合のことを指します。
一方、シェアハウスは、家全体を複数の人と共有して生活するスタイルです。
それぞれに居室があり、トイレやキッチンなどが住人で共有されます。
似た言葉ですが、ルームシェアとシェアハウスの定義には違いがあります。
まとめ
今回は、ルームシェアのメリット・デメリットについてご紹介しました。
ルームシェアは、経済的なメリットや社交的な面でのメリットがありますが、一方でプライバシーや人間関係の課題も存在します。
まず、ルームシェアのメリットとしては、生活費の節約や住環境の充実があります。
また、共有スペースでの交流や協力もあり、孤独感を軽減することができるでしょう。
一方で、ルームシェアにはプライバシーの制約やルールの遵守が求められます。
ルームシェアは、日々のコミュニケーションを大切にして、ルールの遵守や思いやりのある行動を心掛けることがポイントとなるでしょう。
ルームシェアを考えている場合は、本記事で紹介したポイントや注意点を理解して、必ず行うようにしてください。